「開業当初の苦心記」も読みごたえあり『首藤傳明症例集鍼灸臨床50年の物語』
- 2015/05/13
- 05:46
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「首藤傳明症例集鍼灸臨床50年の物語」今日は本の紹介です。
と言っても、鍼灸師ならみなさん読んだことがあるかもしれませんが。
首藤傳明症例集―鍼灸臨床50年の物語
旦那に、「鍼灸の本の中で実際の臨床に参考になる本はどれ?」と聞いた時にあがった本の中のひとつです。
色々な症例がのっています。
私は施術者ではないので、実際に臨床にどれくらい参考になるのか体験していませんが、旦那は、すべてこの通りにしているわけではないそうですが、参考にして実践に取り入れていると言っていました。
臨床の羅列だけだと読むのが大変そうですが、物語風に読みやすくすることを意識して書かれたようで、実際すいすい読めます。
私としては、この本の付録が読み応えがありました。
付録は、『反映の法則を求めて-開業当初の苦心記』です。
昭和34年に開業した当初の記録が載っています。
「6日間患者なし」とか、やはり大先生でも、開業当初は患者さんが来なくて大変だったのだなぁと分かります。
「気が滅入る」「将来が一向に不安」「精神的苦痛」といった言葉も並び、大いに共感できます。
そして、開業日から日ごとに何人患者が来たかが表になっていて、徐々に増えて軌道にのっていく様子がよく分かります。
その当時の症例も載っているし、ご自身が当時を振り返っている文章もおもしろいです。
その中に、
経絡治療をこの頃からマスターしたいと思っていたと振り返っている文章があるのですが、
「思いは続けるものである。続ければ何事もできるものである。心に思うことはあらわれる。大きな望みを強く心に思い続ける、これも条件のひとつである。」という文章があります。
マーフィーの法則も同じようなことを言っていますが、強く思い続けることがやはり大切なんだと再認識。
うまくいかない状況だと、自分の目標が「本当にできるんだろうか?」「やっぱり無理かも」「他のことをした方がいいんじゃないか」など、ブレてきます。でも、本当に自分がしたいと思ったことは強く思い続けないといけない。思い続ければうまくいく、と勇気づけられます。(もちろん、努力が大前提ですが)
また、来院人数の記録を見てみると、いったんピークを迎えてまた減ったり増えたりといった具合で、やっぱりうちもそうですが、右肩上がりで落ち着くということは、なかなかないもんなんだと分かります。
鍼灸治療の実践にも参考になるし、独立を考えている方への開業に向けてメンタル的にも参考になる本なのではないかなと思います。
→首藤傳明症例集 鍼灸臨床50年の物語
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